パリの思い出1:インテリア展示会メゾン・エ・オブジェ前半
1月中旬にパリに行ってきました。
1月のパリは、インテリアがとても楽しい場所です。
ヨーロッパ最大級のインテリアとデザインの展示会であるメゾンエオブジェ(Maison & Objet) に、デコオフ(Paris Deco off) というインテリアショールーム街でイベントが盛りだくさん!
それだけでも充分ですが、せっかくパリに来たので、パリの街も楽しむことにもしました。
街を感じることで学ぶことも多いと思うのです。(でもやっぱり目がいくのはインテリアなんですが。。笑)
今回はそんなパリの思い出を全3回に分けて綴ります。
去年1月のメゾンエオブジェ&デコオフを訪ねた時の記事は写真をクリックして下さいね。
今年お会いした皆さま、今年の私のようですが、1つだけ違うところがあります。年齢?! それ以外にも。笑
1回目と2回目はメインイベントであるインテリア展示会メゾン・エ・オブジェと街中のショールームのお話です。
さて、インテリアの展示会って何?と時々聞かれます。
”お買い物できますか?”と。
残念ながら一般向けではなく、ここでの販売はないのです。。
簡単に言えば、”プロ向けの新製品発表の場” なので、デザイナーやショップのバイヤーが取引先を探しに来る展示会です。
でも、これがお店だったら楽しい!、と思うくらい、何でもあります。
対象アイテムは、メゾンエオブジェという展示会の名前通り、”家ともの”。
家具、照明、壁紙、ファブリック、花瓶、食器、キャンドル等、ありとあらゆるアイテムがあり、フランスらしくフレグランスというものも。
フランスを中心に、ヨーロッパ各国含む60ヶ国以上の国から3000以上のブランドが出ています。
さすが、ヨーロッパ最大級の展示会ですね。会場図からもその規模が見えます。
(Source: https://www.maison-objet.com/en/paris)
この会場全てを見るのは無理なので、ここでは事前準備と作戦が重要!
今回の目的は、今お取り引きをしているサプライヤー(商品の販売先)とのお打ち合わせに、今後のための新規サプライヤー発掘。それにもちろん、各ブランドの新作もチェック!
私はロンドンでインテリアデザインをしていることもあり、パリの展示会で出会うブランドは普段から馴染みも多くよく使います。最初の頃はこの ”ヨーロッパというひとつのマーケット” というのにすごく驚きました。
それぞれの国の豊かな文化に培われた個性的なブランドやアイテムに簡単にアクセスできるというのは、とても恵まれたことだと思います。(なので、イギリスのEU離脱後の影響がとても気になるところです。。)
今回もフランス、ポルトガルの取引中のサプライヤーとも打ち合わせがあり、予めカタログで確認していたアイテムを実際に見て、担当の方ともお話できました。とても大切なことですね。
サプライヤーと良い関係を築くのも大切ですね。ブランドの歴史、こだわり、対応も含めてアイテムだと思うのです。
価格という数字だけで判断するのではなく、目的にあったコストパフォーマンスも意識しています。
イギリス以外のヨーロッパのサプライヤーからもアイテムを取り寄せしますが、最初に目にするのは日常的にはウェブサイトやカタログです。
ロンドン近郊にショールームがあれば気軽に行けます。
少し遠方になると、何かの折に立ち寄るようにしますが、行きづらいところだと表面仕上げ材のサンプルを取り寄せて色や質感を確認します。
ただ、実際の製品はやはり違います。たとえばソファの縫い目、金属部分の継ぎ目、座り心地、椅子の重さ、ガタつき等々。ブランドの得意分野もあったり、モノによって差がある場合もあります。見た目はいいけれど、、というものもあります。
それと佇まい、いう空気感。
空間にそれがいる(あるというより、いると言った方が適切な気がします)と、どう感じるのか。
最近だとネットで見られる情報が多いので、わざわざ展示会に行かなくても”情報”としては得られます。
でも、そのアイテムの存在感、空気感を直接見て、触れて、五感で感じる。
それはインテリアという実際の空間やアイテムを扱うデザイナーとして、とても大切なことだと思うのです。
とはいえ、遠方の、特に日本にいるクライエントがここに来て確認することは中々大変です。
となると、私がインテリアデザイナーとして、自ら確認して自分の言葉で伝える、ということも役目だと思っています。
大切なインテリアを構成する、末長く共に暮らす大切なアイテムです。
そして特別なインテリアには特別なアイテムがあります。
お客様にご紹介するからには、その方のインテリアにぴったりなものを、自信を持っておすすめしたい。
そのためにも、インテリアを含め様々なものを見て、眼を養うようにも心がけています。
さて、この展示会では、様々なインテリアアイテムに出会えます。
インテリアというと最初に考えがちなのが、家具とカーテンと言われます。
そしてインテリアづくりというと、工事が終わり、家具やカーテンが入ったら完成!と思われがちです。
でも、実際にはその後に、インテリアアクセサリーと呼ばれる装飾用小物もとても大切なのです。
例えばそれは、ソファの上のクッション、ラグ、アート、テーブルランプ、フラワーベースなどなど。
展示会で素敵だと思ったブランドからの写真です。(https://www.frato.com/index.php)こちらのブースは撮影禁止だったのでウェブサイトより。
もしここにソファの上のクッションも、テーブルランプも、アートもなくて、コーヒーテーブルの上も空っぽだったら、、、。すっきりし過ぎて寂しいですよね。
家具やカーテンは飽きがこないようにシンプルにしたとしても、小物でなら個性を出しやすいのは、洋服のアクセサリーに似ていますね。またインテリアアクセサリーが入るとその人らしさや生活の息吹が感じられて、より個性が出ますね。
インテリア好きの方のおうちにお邪魔すると、お部屋のこだわりのアイテムについて話が盛り上がるというのは、よくある話です。インテリアは自己表現、なのですね。
大切な毎日を包む箱であるインテリア。
今回の展示会でも、ブランドイメージに近い音楽を流していたり、ディフューザーの香りが漂うブランドも多く、そういうところはより印象に残ります。五感で感じてこそ、その良さがわかるのだと改めて思いました。
なので、素敵なインテリアには、素敵な家具、照明、ウィンドートリートメントに、もちろん素敵な小物も不可欠!
この場合の ”素敵” は 自分らしさ” と考えてもいい気がします。
プロのデザイナーとして、様々なアイテム情報に常にアンテナを張りつつ、それらを上手に使うコーディネート術も学ぶようにしています。
特にこの展示会は、メゾン・エ・オブジェ。その名の通り、家とモノなのです。
小物も含めた空間としてのセッティングが多いので、コーディネートの参考にもなります。
そのような特別なアイテム達にまとめて直接出会えて、実際のコーディネートに見て触れて、音や香りも含めてその五感で体感できる場所がこうした展示会やショールームなのです!
というわけで、後半でいよいよ展示会の様子をお知らせします。
どうぞお楽しみに!
パリの思い出2:インテリア展示会メゾン・エ・オブジェ後半は、こちら
パリの思い出3:モネの絵を巡る、パリの旅は、こちら