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たてものタイムトリップ

東京に戻り、早くも10日程…。

時差と夏の暑さにすっかりバテておりました。

夏も終わりかけのロンドンから残暑厳しい東京に突然降り立ったこともり、今までどうやって堪えてのかしら…?と思える程。

そんな中、先日、江戸東京たてもの園を訪ねました。

http://tatemonoen.jp

ロンドンで、これから東京を訪ねる外国人の友達に、おススメを聞かれたら個人的には必ずココは入ります。

東京の中心地から西側へ電車で約1時間。緑豊かな小金井公園の中に位置しています。

ここは、両国にある江戸東京博物館の分館で、失われつつある江戸東京の歴史的な建物が移築されている屋外博物館なのです。言うなれば、たてものタイムトリップでしょうか。

広い園内には約30もの建物があり、江戸時代から昭和初期までの様々な年代の、様々な建築様式の住宅が復元されています。

今回はその中でも、個人的にいくつか面白かった建物を紹介しちゃいます。

こちらは前川國男邸です。

ル•コルビュジュの弟子でもあった前川國男の自邸で、昭和17年に建てられた戦前の木造モダニズム建築の傑作と言われる建物です。

切妻屋根の和風な佇まいとは変わって、中のリビングとダイニングは吹き抜けになっていて、そこにはイサムノグチの月のような照明が空間にやわらかさを添えています。

(Source: http://mirutake.fc2web.com/06/115maekawa/maekawa.htm )

オープンになっている階段によって2階につながっています。

他にも、バスタブとトイレが同じ空間にあるバスルームや、押し入れではなくクローゼットなど、戦前の建築とは思えない斬新さ。

この家は今から見ても学ぶべきポイントが多いです。戦中の昭和17年築とは思えず、見とれ過ぎて時間を費やしてしまいます。調べる程に奥が深いこのおうちは、必見です!!

さて、山の手通りと名付けられた道を行くと、こんな江戸時代中期の農家のおうちもあります。

何だかタイムトリップしたようで、不思議とこのあたりは空気のにおいすらも違う気がします。

同じ農家のおうちでも、年代による変化が見られます。こちらは江戸時代後期のもの。

時代劇に出てきそうな空間です。

こちらは、三井八郎右衛門邸。

あの三井財閥11代当主のおうちで、戦後の財閥解体を得て昭和27年に建てられたものです。三井家の伝統を表した格式ある作りです。

お庭はここではコンパクトに復元されていますが、明治7年築の蔵も復元されたり、茶室もある立派な邸宅です。

廊下からの眺め。随所に邸宅としてのこだわりが見てとれます。

この右手には洋風のリビングやダイニングもあり、和風住宅に溶け込んだ洋風文化の影響が見られます。

さて、住宅の他にも昔の下町の風情漂うエリアもあります。

1930年代頃の和傘問屋の建物。傘作りが盛んであった江戸川区小岩から移築されたそうです。

風情ある和傘が素敵です。今にも職人さんが現れそうです。

こちらは1856年頃に建てられた居酒屋さん。

震災や戦火を免れて、台東区下谷から移築されました。中身は昭和45年頃の姿に復元されています。

のれんをくぐったら、「へい、らっしゃい!」とか聞こえてきそう。

こんなところでちょっと一杯できたらいいですね。

なんと銭湯まであります。昭和初期に建てられた、その名も「子宝湯」。

ちゃんと番台もあったりして、何とも懐かしい佇まい。気兼ねなく男湯も女湯も見れちゃいます。(笑)

今まで2回程訪ねていますが、いつも予想以上に時間がかかり、最後は駆け足!

実際にに足を踏み入れて、その建物の特徴をまじまじと見つつ、その建物が見てきたであろう歴史に思いを馳せるというのもいいですね。ここに住む家族は一体どんな時間をどう過ごしてきたのでしょうか。

訪ねる度に新鮮な発見のある博物館なのです。

公園内自然が多くて、建物のお庭から四季の移り変わりも楽しめます。

次回は桜か紅葉の季節に来てみたいなぁ。

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こんにちは!齊藤洋子です。

ロンドン在住のインテリアデザイナーです。

仕事、旅の思い出、海外生活の様子を綴っています。

趣味:

街歩き、お屋敷巡り、歴史探索、インテリア、アート、アンティーク、工芸品を見ること。 

座右の銘:

一期一会、温故知新、七転び八起き

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