パリの思い出1) メゾンエオブジェ&デコオフ編
早くも戻って1週間が経ってしまいましたが、1月19日~23日までパリに行ってきました!
ロマンチックなプライベート、でもなくお仕事ですが。。
この時期のパリは、メゾンエオブジェというヨーロッパ最大のデザインの展示会と、
デコオフという、ファブリックを中心としたショールームが集まるエリアでのイベントがあり、
インテリアデザイナーとしては何とも見逃せません。
でもせっかくなので、ちゃんと ”パリを楽しむ” 時間も作りました。
今回はパリの思い出として2回に分けて、その旅の思い出を綴りたいと思います。
1回目の今回は、今回のパリ行きのメインの目的である、メゾンエオブジェとデコオフのお話を少々。
ヨーロッパでのインテリアの展示会と言えば、他にも1月のドイツ、フランクフルトでのハイムテキスタイル(ファブリック)、4月のイタリア、ミラノでのミラノサローネ(家具)があります。それぞれ特徴があり、どの展示会を見に行くかというのも考え方や好みによると思います。
私は上記3つのいずれにも行きましたが、個人的には、このメゾンエオブジェがインテリア全般を見るのにいいかと思いました。文字通り”家とモノ”の展示会なので、展示されるものは、家具、照明、アクセサリー、建材、生活雑貨、グリーン、フレグランスなどなど。。空間がトータルコーディネートされた状態で見られます。
インテリア空間を創るというのは、最終的なアクセサリーまで入れて初めて部屋らしくなるのだと、最近改めて感じます。(そのお話はこちら→ "自分へのおもてなしー部屋の空気が変わるということ”)
それと、ロンドンからもユーロスターで行きやすいということもありますね。ロンドンからだとユーロスターで2時間半なのです。私はロンドン在住という地の利を生かして、スケジュールの合う限りいろいろな展示会を見に行くようにしています。回を重ねる毎に見えるものの深みが増し、得るものが増えると感じています。
さて、このデコオフというファブリックショールームでのイベントでは、いくつものデザイナー向けの新作発表会にも参加させて頂いて、各ブランドの特徴や新作情報も学ぶことができました。貴重で実り多い学びの機会です。
ほんの少しですが、様子を写真でご紹介します。
”百見も一訪問にしかず”(作りました笑)ですが、雰囲気だけでも感じて頂けましたら幸いです。
余談ですが、体験とは五感で共鳴するオーケストラのような感じがしてしまいます。(大げさですが笑)
胸ときめかせながら冬の風を頬で感じ、石畳を鳴らしながら歩き、ドキドキしながらショールームのドアを開け、恐る恐る?入って、”わぁ〜!!”と感動する感覚は、何とも表現しがたいものです。
ロンドンにも、このようなファブリックのショールームが集まるデザインセンターという建物があり、とても便利です。同じブランドも多いので通り過ぎかけましたが、立ち止まって入りました。
こちらのパリのショールーム達は、建物の歴史的な趣きが溢れ、窓からの自然光もあり、その先に景色もあるので、実際の家のような雰囲気溢れるショールームでした。同じブランドでも違って見えますね。
ファブリックとしての製品が大きなサイズで見られるだけでなく、アポストリー(イス張地)になったものや、カーテンやクッションに仕上がったもの、トリムとの組み合わせのコーディネート例など、見どころばかりです。
新作発表会では、まるでショータイムのようにマイクを片手に持ったテキスタイルデザイナーの方が、何にインスピレーションを得て、それをどのように発展させてデザインしたか、他の生地やトリムとどのように組み合わせて使えるか、などカタログから得られる”情報”はもちろん、それ以上の”ストーリー”、時にこぼれ話も聞かせて頂けました。
多くの方のプレゼンが英語なので、そのまま理解できて助かりました。映画と同じで字幕も吹き替えもいいんですが、やはり生のメッセージというのが一番伝わるものがあります。文化的な違いも大きいので、それも踏まえて咀嚼しつつ、ふむふむと聞き入りました。
そして、雨の降る日曜日に、朝から気合を入れてメゾンエオブジェ会場へ!
それもそのはず、メゾンエオブジェは、文字通り、”家とモノ” のヨーロッパ最大の展示会です。
出展者数は約3,000展、来場者数は約85,000人!
東京ビッグサイトで開催されたインテリアライフスタイル展の出展者数約470社、来場者数約16,500人と比べるとその規模約6-7倍です。(http://ifft-interiorlifestyle-living.jp.messefrankfurt.com/tokyo/ja/exhibitors/fair-profile/facts-and-figures.html)
先程も触れましたが、展示されるものは、家具、照明、アクセサリー、建材、生活雑貨、グリーン、フレグランスなどなど。。インテリアデザイナーとしては、そうでなくても、何ともわくわくする展示会です。
足を棒にするつもりで、普段ジムで使用するスニーカー持参!笑
もちろんカメラと携帯の予備のバッテリーも。
何しろ規模が大きいので、あらかじめ予習して臨みました。
去年訪ねた時と比較しつつ、”なるほど、そう来たのね” と新鮮な発見を繰り返しつつ、一人ハイテンションで進みます。笑
ほんの少しですが、雰囲気を感じて頂けたら嬉しいです。
トレンドというわけかわかりませんが、
自然を、くつろぎを感じさせるものが目につきました。洗練された雰囲気も漂い、インテリアでも使いやすいですね。
去年ロンドンでデザインさせて頂いたインテリアのテーマで” 癒しのジャングル”というのがあり、それを懐かしく思い出しました。
それと、私がアール・デコファンだからかもしれませんが、アール・デコの雰囲気漂う華やかなものにも、ついつい目が止まりました。アール・デコは間も無く100年を迎えて、ビンテージからアンティークへの仲間入りの時だからでしょうか。
外国人デザイナーによる、日本からインスピレーションを受けたものも気になりました。
外国に住む身としては、ジャポニズムはとても興味あるテーマです。彼らのフィルターに私の国がどう写っているのか、以前より自分自身の感覚が外国人寄りになりつつある気もしますが、常に新鮮な発見があります。
展示会の味方もいろいろあるかと思います。
今回の目的は、トレンドを感じたいというのもありますが、今頂いているプロジェクトに合うサプライヤー、モノを見つけるという部分も大きいです。
ロンドンにいて、ヨーロッパはひとつ(だったと過去形になるんですが。。)だなぁと感じるのは、ヨーロッパ中からモノを探し使う、ことが多いことです。プロジェクトに合う商材を探して、ヨーロッパ中のサプライヤーに電話をかけ続けたこともありました。
だからこそ、常にこうして展示会に来て、製品情報を広く、深く、そして細かくチェックし続けること、既存のサプライヤーはもちろん、新しいサプライヤーも開拓することは、デザイナーとしての引き出しを増やしながらそのひとつずつをさらに充実させて行くことでもあると感じています。
これが有名だから、流行りだから使う、ということはありません。もちろん時代の流れは意識していますが。
常にいろんな引き出しを充実させることで、それぞれのプロジェクトのコンセプトに最適なものを見つけ出せるようにしたいと思っています。
それとともに、”本物を見る” こと、目だけでなく、”五感を養う”ことも意識しています。
展示会で見られる新製品だけでなく、ビンテージもアンティークも、家に伝わる思い入れのあるモノたちも、大切な存在です。
だって、全てのプロジェクトが世界に一つです。そこにあるものをどうアレンジするか、必要であれば世界中からベストなアイテムを集めて、オリジナリティ溢れる特別な空間を作りたいと、いつも思っています。
すっかり長くなってしまいましたが、続きは第2回へ・・・